北千住の街をぶらぶら歩いていて、妙に風情のある「稲荷寿し松むら」と書かれたお店が気になった人に向けて書いています。
普通の寿司屋とも違うし…、やたら昭和感が漂っていて引っかかる。そもそも、いなり寿司だけで店を構えているようにも見えるし、「あの店って一体何なんだ?」と気になった人も多いと思いはず。
この記事では、この謎寿司屋の正体、買い方や店内の雰囲気、食べてみて分かった味の特徴、また本店との違いにも触れながら、この店がなぜあの独特な空気をまとっているのかを見ていきます。
稲荷寿し松むら千住支店とはどんな店?
この店の正体と基本情報





北千住の東口を出て、商店街を抜けた先にあるのがこの店です。歩いていると、いきなり空気が変わるポイントがあって、そこにこの店があります。
この辺りは今でも昔の面影が残るエリアなんですが、その中でもこの店だけは明らかに存在感が違う。とにかく風情が強くて、思わず足を止めてしまうタイプの外観です。
で、よく見ると「稲荷寿し」と書いてあり、普通の寿司屋ならまだしも、いなり寿司で店を構えているように見えるので、ここで一回引っかかるんですよね。





「これ何の店?」って。実際に入ってみると、ここはテイクアウト専門で、暖簾をくぐって中で注文するスタイルです。
めちゃくちゃ気になりますが…、コワモテの大将が寿司握ってそうな外観に怯みます。でもここは、勇気を出して入店してみることにしました。
店内の雰囲気と注文の流れ

中に入ると、空気がいい意味で拍子抜けします。お婆ちゃんの家みたいな、ちょっとホッとする感じの空間で、変に気取った雰囲気は一切ありません。
壁を見ると有名人のサインがびっしり貼られていて、「ああ、ここちゃんとした店なんだな」と分かります。さらに印象に残るのが匂いです。
店の中はお酢の香りでしっかり満たされていて、ちゃんと寿司屋の空気がある。この時点で、「見た目は変だけど中身は本物だな」という安心感に変わってきます。

メニューはかなりシンプルで、のり巻といなりだけ。握り寿司は一切ありません。この2つだけでずっとやってきた店なので、逆にそこに強さを感じます。
注文は組み合わせで選ぶ形で、いなりはすでに作られていて、のり巻は注文が入ってから1本1本巻いていくスタイルでした。
実際に行って稲荷寿司を食べてみた
持ち帰り寿司を外で開けた瞬間の衝撃




注文してから10分ほど、店の中でゆっくり待ちます。イスもストーブもあって、散歩で冷えた体にはちょうどいい時間でした。
出来上がったお寿司を受け取ったら、そのまま荒川の河原へ向かいます。店から歩いて10分ほど。こういう持ち帰り寿司は、外で食べるのが一番しっくりきます。
まず包み紙がいい! いかにも昔ながらの持ち帰り寿司で、酔っ払ったお父さんが手土産に持って帰ってきそうな、あの感じ。そのまま家に持ち帰る用と、自分ですぐ食べる用で分けてもらいました。

見た目はシンプルなんですが、不思議とテンションが上がる。そしてパックを開けた瞬間、ここで一気に持っていかれます。海苔とお酢の香りが一気に立ち上がる。
外ですよ、河原ですよ。それでも一瞬で広がる。この香りが逃げていくのが惜しくて、思わず「もったいない」と感じるレベルでした。
かんぴょう巻きといなり寿司の異常な完成度


まずは「かんぴょう巻き」から。正直、ここで完全にひっくり返されました。見た目は普通ですが、歯に触れた瞬間に崩れます。
ジュレのようにほどけて、そのまま甘い汁になってシャリを包み込みながら流れてくる。この食感はちょっと経験がないレベル。海苔がどうとか、ご飯がどうとか、そういう話ではない。
かんぴょうってこんなポテンシャルあったのかと普通に動揺しました。これまでそれなりに寿司は食べてきましたが、自分の中のランキングが普通に入れ替わる感覚です。




一度ガリで落ち着かせてから、次はいなり寿司。これも持った瞬間に分かるくらい重い。見た目からしてしっかり味が染みていそうで、食べてみるとお揚げは甘く、中のご飯は酢が効いている。
さらに蓮根のシャキシャキが効いていて、甘い、酸っぱい、シャキシャキのバランスがきれいに成立しています。
家族の反応で確信したこの店の実力

気づいたら普通にお腹いっぱいになっていて、食べ終わる頃には夕方になっていました。
家族にはお土産用に包んでもらったものを「寿司買ってきたよ」と渡しましたが、開けてみたら助六寿司だったので、最初の反応は「え、助六…?」と微妙な空気。

でも一口食べた瞬間に空気が変わります。特に娘は完全にハマってしまい、ほとんど一人で食べてしまう始末。でも、私はここで確信しました。
この店は当たりです。普通の寿司屋とは方向性が違いますが、だからこそ記憶に残る。人におすすめを聞かれたら、普通に名前を出してしまうレベルです。
実際に娘さまには「また買ってこい」と言われているので…、これはもうリピート確定です。
同じ店なのに千住支店だけ空気が違う
このお店は稲荷寿し松むら「千住支店」という名の通り、他にも店舗があります。
なので、ぱっと見同じような昭和感が漂うお店が他にもあるのかなと思いがちですが…、実際に行ってみるとそうではありません。この独特な風情で営業しているのは、千住支店だけです。
- 稲荷寿し松むら 千住支店
- 住所:足立区柳原2丁目23-6
電話:03-3881-1790
種類:寿司店
予算:1〜1,000円/1人あたり
私も台東区清川にある本店に行ったことがありますが、ここは玉姫稲荷神社のすぐ近くという、稲荷寿司の文脈がしっかりある場所。
ただ店の雰囲気はかなり普通で、どちらかというと少し今っぽい印象です。東向島店も、昭和感はまったくありません。
- 稲荷寿し松むら 本店
- 住所:台東区清川2丁目4-1
電話:03-3873-5024
種類:寿司店
予算:1〜1,000円/1人あたり
- 稲荷寿し松むら 東向島店(公式HP)
- 住所:墨田区東向島1丁目15-12
電話:03-3612-5045
種類:寿司店
予算:1〜1,000円/1人あたり
また千住支店のある柳原のすぐ隣、千住旭町に長く住んでいた妻やその両親ですら、この店の存在を知らなかったという事実もあったりします。
つまり、この店は地元に寄り添って長く営業してきたからこそ、あの風情が今も残っているのかもしれません。







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