なんちゅうか本中華:伝説の袋麺に「似てる」ラーメンを本気で探してみた

何ちゅうか本中華 食べる

なんちゅうか本中華。これは伝説の袋麺として知られる本中華ジャンのキャッチコピーです。

この「本中華ジャン」の味が忘れられない。でももう売っていない ─ そんな思いを抱えている方に向けて、この記事では「似ているラーメン」を本気で探して比較・検証しました。

記憶に残る香りや麺の食感、スープのコクは他の即席ラーメンで再現できるのか?という疑問に対して、実際にいくつかの商品を食べ比べ、味の近さや印象の違いを丁寧にまとめています。

この記事を読むことで「あの味にもう一度出会いたい」という気持ちに対するヒントや、代わりになる一杯が見つかるかもしれません。

 

なぜ忘れられない?記憶に残る「本中華ジャン」の魅力

「なんちゅうか本中華」─ CMと記憶に残るキャッチコピー

「なんちゅうか本中華」。このフレーズを覚えている人は少なくないはずです。大橋巨泉さんが出演したテレビCMの記憶とともに、この商品名はいまも強く印象に残っています。

特別に派手な演出があったわけではありませんが、絶妙にとぼけた語感と耳に残るリズムが特徴的でした。

「中華料理屋の味を再現したインスタントラーメン」というメッセージを、あえて説明しすぎず感覚で伝えてくるような不思議なキャッチコピー。

いま振り返ると、味とコピーの言語感覚が見事に合っていたのかもしれません。細かい映像の記憶は薄れていても、「なんちゅうか本中華」という言葉だけがふと口をついて出る。

それほどまでに、この一杯は名前の力と味の記憶が深く結びついていたのだと思います。

スープ・麺・香り…思い出の中のあの味

本中華ジャンの記憶で真っ先に浮かぶのは、スープの「突き抜ける香り」でした。

袋麺とは思えないほどスコーン!と鼻に抜けるあの香り ─ 「なんだこれ?」と思ったあの驚きは、今でもはっきり覚えています。

うちではラーメンといえば醤油一択。母がスーパーで買ってくる安い袋麺を食べるのが日常でした。でも、その中で本中華ジャンだけは明らかに別格でした。

ピリッとした辛みと深いコク、ツルッとした平打ち気味の麺。どれをとっても「いつものラーメン」とは違っていて、子どもだった私にも「これは特別だ」と感じられました。

それまでラーメンにさほど興味がなかったのに、この一杯がきっかけでラーメンが好きになった。私にとっての「はじまりの味」─ それが本中華ジャンです。

なぜ今でも語られるのか?「唯一無二だった理由」

本中華ジャンはすでに廃盤となったにもかかわらず、今でもネット上で語られることがあります。それは記憶と感情に深く結びついた「体験としての一杯」だったからかもしれません。

液体スープの採用、中華料理屋のような香りと味、ツルツルした平打ち麺 ─ そのすべてが「よくできていた」だけでなく、当時は代わりになる商品がほとんどなかったのです。

そしてもうひとつ大きかったのは「いつの間にか消えていた」という終わり方。明確な販売終了も告知もなく、気づいたときには棚から消えていた。

この曖昧な別れ方が、かえって多くの人の記憶に残ったのではないでしょうか。あの味に出会えた人にとって、本中華ジャンはもう二度と忘れられない一杯です。

本中華ジャンそのものについて詳しく知りたい方は、こちらの特集記事もぜひご覧ください。

ハウス 本中華ジャンはなぜなくなった?:売ってる場所や販売終了の理由を徹底調査 | 沼探
「本中華ジャンって、いつの間にか見かけなくなったよね?」そんな疑問を抱いた方に向けた記事です。 本記事ではハウス食品がかつて販売していた伝説の即席ラーメン「本中華ジャン」がなぜなくなったのか、その背景や販売時期、ネットでいまだ語り継がれる理

 

「好きやねん」は本中華ジャンに似ているのか?

好きやねん」は本中華ジャンと同じハウス食品が手がける現行の袋麺(醤油味としては唯一:本記事執筆時点)で、関西を中心に販売されている醤油ラーメンです。

唯一の「生き残り」とも言えるこの一杯が、果たして本中華ジャンに似ているのかを検証しました。

調理中の香りで感じた「これは違う」

調理中の香りで感じた「これは違う」

「好きやねん」を鍋で調理していると、違和感はすぐにやってきました。粉末スープをお湯に溶かしているだけなのに、キッチンに広がるのはまさかのソース系の香り。

ラーメンを作っているはずなのにウスターソースを温めたような、あの独特な酸味が漂ってきたのです。

「気のせいか?」と思ったのも束の間、丼に注いだ瞬間にはっきりと鼻を突くソース臭が押し寄せました。関東の人間にとって、(ラーメンとしては)これは完全に「食欲を削ぐ香り」です。

ラーメンであるはずなのに「なぜソース?」、脳が混乱し思わず手が止まりました。「ラーメンであることをやめている」とすら感じたほど。

食べる段階で「これは違う」という結論に達してしまった時点で、本中華ジャンとの接点は完全に消えていたのだと思います。

スープ・麺の仕上がりはまったくの別物?

スープ・麺の仕上がりはまったくの別物?

実際に食べてみて、本中華とは味の方向性がまったく違うことがすぐにわかりました。スープは粉末のみで構成されており、液体スープを使っていた本中華ジャンとは、そもそもの設計が異なります。

味も醤油ベースというより、やはりウスターソース風の酸味が前面に出ていて「ラーメンのスープ」というより「ソースラーメン」とでも呼びたくなる仕上がり。

麺もよくある典型的な即席縮れ麺で、特筆すべき点はありません。平打ちでもなく透明感もなし。食感や喉ごしもごく普通で本中華ジャンのような「つるっとした特別感」とは完全に別物です。

ここまで似ていないとは正直予想外でしたが、スープ・麺ともに共通点が見当たらず「これは比較対象にならない」と思わずにはいられませんでした。

後継としては厳しい?似ていないと感じた理由

「好きやねん」は、正直なところ本中華ジャンの「後継」とは呼べません。

まずスープの香りと味がラーメンとしての枠を外れており、ソースの風味が強すぎるため関東の感覚では完全に「別物」に映ります。麺も普通の即席ちぢれ麺で特別感はゼロ。

本中華ジャンが「家庭で食べた中で一番うまいラーメン」だったとすれば、こちらは「どこにでもあるラーメン的なもの」という印象です。

味が悪いというより、そもそも方向性が違いすぎる。だからこそ「似ているか」と聞かれたら「まったく似ていない」と答えるしかありません。

本中華ジャンの代わりを求めている人にとって、この味は「あ、違ったな」で終わってしまう。申し訳ないけれど、代替品としてはおすすめできないというのが正直な感想です。

 

「中華三昧」は本中華ジャンの後継になれるのか?

中華三昧」は明星が展開する高級袋麺シリーズで、液体スープと平打ち麺が特徴。今回はその中でも「広東風醤油味」が本中華ジャンにどこまで近いかを検証しました。

液体スープと麺の完成度がもたらす再現力

液体スープと麺の完成度がもたらす再現力

「中華三昧」は、まず構造の時点で明らかに「本中華ジャン寄り」でした。粉末スープに加えて液体スープも付属し、お湯を注いだ瞬間に立ち上る香りには即席ラーメンらしからぬ厚みがあります。

さらに麺も見た目からして違います。やや平打ちで透明感のある乾麺は茹で上がるとツルツルした喉ごしと適度な弾力を持ち、記憶の中の本中華ジャンに限りなく近い仕上がりでした。

もちろん、まったく同じではありません。ただこれまで「似ている」と言われたどの商品よりも、構造・香り・見た目・食感すべてにおいて「方向性が合っている」と感じました。

見た瞬間に「おっ」となり、食べて「あれっ?」と驚く ─ その感覚こそが、当時の本中華ジャンと確かに重なった瞬間でした。

XO醤の香りに宿る「あの頃の味」の記憶

XO醤の香りに宿る「あの頃の味」の記憶

中華三昧のスープを口に含んだ瞬間にふわっと広がるのは高級中華料理店を思わせるXO醬の香りと、どこか懐かしいコクのある風味でした。

本中華ジャンがXO醤ベースだったのかは分かりませんが、あの独特の旨味と香ばしさは記憶の中の本中華ジャンに限りなく近いものがあります。

液体スープの存在感も強く、粉末スープでは出せない「味の重なり」がしっかりと感じられました。この「香りの厚み」こそが、本中華ジャンを彷彿とさせる最大のポイントだと感じます。

記憶とは曖昧で主観的なものですが、それでも「あの時感じた味に近い」と思わせるこの香りは、まさに「あの頃の味」そのもの。

単に味が似ているというより、香りが記憶を自然に引き出してくれる感覚 ─ それが中華三昧の強みだと感じました。

本中華ジャンの継承者と呼びたい、その理由

今回比較対象として試した中で、「これなら本中華ジャンの後継と呼んでもいい」と思えたのは中華三昧だけでした。もちろん完全な再現ではなく、細かい部分で記憶と違う点もあります。

それでもスープの香り立ち、液体スープの奥行き、麺のツルッとした喉ごし ─ どれもが「あのラーメンを思い出させてくれる」方向に向かっていました。

「好きやねん」では得られなかった、あの懐かしさの輪郭を中華三昧には確かに感じます。しかもこちらはどこでも手に入りやすく、価格も100円台と手頃。

だからこそ多くの人に試してみてほしいと思います。本中華ジャンが記憶に残っている人なら、きっと「あ、これかも」と思える瞬間があるはず。

中華三昧はそんな記憶をつなぐ一杯として、自信を持っておすすめできます。

 

まとめ

この記事では本中華ジャンを知る人なら一度は感じたであろう「あの味、もう一度食べたい」という気持ちをもとに、現在入手できる商品との比較を行いました。

「好きやねん」は構成も香りもまったくの別物で、代替にはなりませんでしたが「中華三昧」には想像以上の近さと再現力がありました。

本中華ジャンの魅力はただ美味しかっただけでなく、「いつものラーメン」とは違う体験をくれたこと。味の記憶とともに当時の食卓や家の風景までよみがえってくるような一杯でした。

そんな思い出をふと思い出したとき、今ある選択肢の中で「少しでもあの感覚に近づける一杯」に出会えたらそれだけで嬉しい。中華三昧は、まさにその橋渡しをしてくれる存在かもしれません。

編集後記

編集後記

本中華ジャンについては先に沼探に方で記事を出していたんですが、その時は「似ている商品を探す」ところまでは手が回らず。だけど記事を書いてるうちにどうしてもあの味が恋しくなって、気がつけば後継候補をいろいろ買い集めてました。

「中華三昧」は近所でも手に入るけど、「好きやねん」は西日本限定なので楽天で取り寄せました。ただ即席麺はかさばるわりに単価が安いから、送料が割高に感じるんですよね。単品で買うより他の日用品と一緒に注文して送料を抑えるのがおすすめです。

さて肝心の味については記事内で述べた通りですが、個人的には「中華三昧」がかなり本中華ジャンに近いと感じました。

もちろん記憶と完全一致ではないし、20年という月日の中で自分の味覚も変わってる。でも今もし本中華ジャンが販売されていたら、おそらく今の中華三昧くらいの味になっていたんじゃないか ─ そんなふうに納得できるくらいには、あの頃の面影を感じました。

なので私は、これからも中華三昧を「本中華ジャンの跡継ぎ(非公認)」で食べていこうと思ってます。

XO醤や醤油をちょっと足したらさらに近づく気もするけど…、塩分も気になるし、何よりメーカーのこだわりをそのまま味わいたい気持ちもあるので今回はそのままレビューしました。

本中華ジャンが好きだった方には、ぜひ一度「中華三昧・広東風醤油味」を試してみてほしいです。きっとあの懐かしい味がふっとよみがえるはずです。

 

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