友達がほかの友達と仲良くしているのを見て、なぜか胸がザワついたことはありませんか。
誰も悪くないのに、なんとなく自分だけ置いていかれたような気がする ― そんな気持ちは、誰の心にもひっそりと存在します。
この記事は、そうしたモヤモヤに名前をつけられずにいる人に向けたものです。今回は佐賀県を舞台に、「佐賀くん」「唐津くん」など、実際の街を「友達グループ」にたとえて話を進めていきます。
嫉妬って何なのか、本当はどう付き合えばいいのかを、彼らの関係性を通じて読み解いていきましょう。今回は「佐賀市」になったつもりで、感情の動きと心の整理のヒントを一緒に探っていきます。
人気者の友達が眩しく見えるとき
唐津くんみたいな自由で明るい子が羨ましい

唐津くんは人口約11万人で、佐賀県では自分(佐賀市)に次いで2番手の成績。海沿いの街らしく、どこか開けた雰囲気があって、外とのつながりも多いタイプです。
以前から福岡くんや長崎くんと仲が良く、町中には長崎ちゃんぽんや豚骨ラーメンの店も多数並びます。また唐津くんの代表的なお祭り「唐津くんち」は、その名前まで長崎くんとオソロ。
そして名物「唐津バーガー」も佐世保くんとペアルック。いろんな影響を自然に取り入れながら、自分らしくやってるのが唐津くんです。
でも自分から唐津くんへ行くには唐津線で1時間もかかり、本数も少なめ。気持的にも「ちょっと遠い感じ」は否めない。
特に福岡くんや長崎くんといった「九州屈指のモテ男」にヒョコヒョコついて行く自由さが、羨ましくもありモヤモヤするんです。
ご当地バーガー界のダークホース「唐津バーガー」

長崎の佐世保バーガーと並ぶ存在として、ひそかに人気を集めているのが唐津バーガー。地元民に愛され続ける味と、レトロな販売スタイルに惹かれる人も多いんです。でもその違い、知ってますか?
興味がある方はこちらの記事で。
武雄くんが最近話題になってて少し焦る

以前はクラスでも落ち着いていて目立たなかった武雄くんが、最近になって急に存在感をやたらアピールしてきます。
それは温泉街としての存在感に加えて、オシャレな図書館や西九州新幹線の開業など、最近話題になる出来事が続いたからでしょう。
そしてどうも最近、急に成績を上げてきたと思ったら、新しい塾に通い始めたんだとか。しかもわざわざ県外の塾に!
なんでもその塾で長崎くんって子と仲良くなったみたいで、塾帰りには一緒に長崎ちゃんぽんを食べに行ったんだとか!
この前ひさしぶり会って話したら、大村くんとか諫早さんとか島原くんとか、長崎県の子の名前ばっかり出してきて、正直ちょっとイラッとしてしまった。
「お前、新幹線通ってないくせに偉そうな顔すんなよ」ってオーラが地味に腹立つんです。
鳥栖くんは「都会かぶれ」でちょっと寂しい

鳥栖くんって、昔はもっと素朴で話しやすい印象だったんです。そもそも駅舎なんか鉄道レールの再利用で出来てるし。
鳥栖くん家に遊びに行ったときも素朴な感じで、お母さんにご馳走になった中央軒の「かしわめし」なんて涙が出るほど美味しかった。
でも最近は新幹線の駅ができて、駅前には大型モールもオープンして、だいぶ垢抜けてきた気がします。福岡へのアクセスもよくて、話す内容も完全に都会寄り。
サガン鳥栖なんていうサッカーチームまであるのに、「え?でもそれって鳥栖のチームでしょ?」って平然と博多行きの電車に乗り込んで行く。
いやいやいや!お前が鳥栖じゃー!
あの頃の距離感が少しずつ変わっていくことに、自分だけが取り残されたような気がしてしまう。鳥栖くんとは、そんな距離感ができています。
鳥栖駅名物・中央軒の「かしわうどん」と「かしわめし」

出張や旅行で鳥栖駅に立ち寄る予定があるなら、この話は知っておいて損はありません。中央軒の存在が、鳥栖での1日をちょっと特別にしてくれます。
昭和レトロな「駅の味」を楽しんでみたい方は、ぜひこちらの記事もどうぞ。
地味な自分が取り残された気がするとき
真面目でいい子でいようとするほど苦しくなる

さて、「友達との距離感にモヤモヤしてるのは、人間だけじゃないですよ」というお話でした。
いつも空気を読んで、相手の邪魔にならないようにして、ちゃんとしようって心がけてきたのに、なぜか自分ばっかり損してるように感じる。
ふざけてる人やズルをしてる人のほうが注目されたり、得をしてるように見えたりして、自分の真面目さが報われないのが悔しくなる。
場の空気に溶け込めているようで、実は誰からも気づかれていないような寂しさもあって、「自分って何なんだろう」と思ってしまう。
でも不器用にでも誠実でいようとする姿は、ちゃんと誰かに届いているはずです。目立たなくても、軽やかに動けなくても、ちゃんと見てくれている人がどこかにいる。
だから大丈夫。あなたの良さは、ちゃんと存在しています。
でもみんなが安心できるのは佐賀くんみたいな存在

目立たず静かなままで、そっと場を和ませてくれるような存在がいます。輪の中心にいなくても、まわりの空気を少し軽くして、なんとなく安心できる雰囲気をつくってくれる人。
たとえば「佐賀くん」もそんな印象に近いような気がします。賑やかさや華やかさはないけれど、控えめで落ち着いていて、そばにいるだけで気持ちが安らぐ。
気を配りすぎて疲れることもあるけれど、それはちゃんと誰かを支えている証でもある。
前に出て盛り上げる人が目立つ一方で、そんな人たちが安心して振る舞えるのは、佐賀くんみたいな存在がいるからこそです。自分では気づきにくいけれど、そこにいるだけで周りを安心させる力がある。
比べなくていい。地味じゃなくて、ちゃんと意味があります。
唐津くんとは違う自分にしかない色がある

たとえば「唐津くん」が明るくて人気者だとしたら、その姿に圧倒されてしまうことがあるかもしれません。にぎやかな場が得意じゃない自分は、どうしても後ろに下がってしまう。
でもそれは弱さではなく、ちがう強さのかたち。静かに周囲を見渡しながら人の話を最後まで聞いて、相手の気持ちを大切にできる。それって誰にでもできることではありません。
目立たなくても周りを和ませたり、そっと寄り添ったりできる人がいるから、安心できる空気が生まれます。比べる必要なんてないし、誰かと同じようにふるまう必要もない。
あなたの「らしさ」は、すでに誰かを支える力になっている。控えめな色も、この世界にはちゃんと必要です。
ところで佐賀くん、いまちょっとピンチを迎えています。せっかくなので「佐賀くんのお話」、もう少し読んでみてください。
嫉妬の正体を見つけて自分の軸に戻る
通過されるだけの未来が少しだけ怖い

博多から佐賀・長崎を結ぶ西九州新幹線。その線路のうち、佐賀県内だけが未だに着工していません(本記事執筆時点)。
本来なら同じレールでつなげるはずだけど、自分(佐賀県※)は「NO!」と言い続けています。表向きには「費用対効果が低いからです!」と言っていますが…、本音はもう少し複雑です。
もし新幹線の開通で唐津線の本数が減ってしまえば、唐津くんへ向かうメインルートは博多からの一直線。つまり自分を通らずに二人がどんどん仲良くなっていく。
一方で、自分は「通過されるだけの空気タウン」として残ることになる。教室の端っこでお弁当を食べているような、あの孤独感が確定してる気がしてしまうんです。
友達がモテ男グループに入るために、自分が金を出すなんて ─ そんなこと、できるわけがない!!
※実際に西九州新幹線建設に反対しているのは佐賀県ですが、ここでは便宜上「佐賀くん」としています。
佐賀新幹線に「NO」と言い続ける理由

西九州新幹線に反対する佐賀県。その背景には、費用負担の不公平や地盤の問題だけでなく、「通過されるだけの県になりたくない」という素朴な感情もあります。
佐賀県の事情に少し踏み込んだ記事はこちらで紹介しています。
変化への嫉妬と喪失の怖さを切り分ける

唐津くんや福岡くんが楽しそうにしている姿を見かけると、胸の奥がチクリと痛むことがあります。
でもその気持ちは、相手の幸せを妬んでいるわけではなく、「自分だけが置いていかれるかもしれない」という不安に近いのかもしれません。
変化していく関係に少し寂しさを感じるのは、誰にでもある自然な感情。西九州新幹線が通れば景色が変わるように、人との距離も少しずつ形を変えていきます。
でもレールが新しくなっても街が消えるわけではないように、絆そのものがなくなるわけではありません。形が変わることと、失うことは違う。
心がざわつくのは、これまで大切にしてきた時間が確かにあった証です。そう気づくだけで、少し呼吸が楽になる気がします。
嫉妬を願いに変える具体的なヒント

嫉妬という感情は、ただのマイナスではなく「自分もあんなふうに近づきたい」「もっと大切にされたい」という願いの裏返しです。
唐津くんや福岡くんの変化を見てモヤモヤするなら、その気持ちを無理に抑え込まず、自分の中にある「本当はどうしたいか」を見つめてみてもいい。
誰かが輝いて見えるとき、それは自分も前に進みたいという心のサイン。嫉妬を焦りに変えるより、エネルギーとして活かすほうがずっと建設的です。
たとえば新しいことを始めたり、得意なことを磨いたり。そんな小さな行動の積み重ねが、自分の道を形にしていきます。
誰かと比べる必要はなく、自分のペースで進めばいい。焦らず、でも確かに、自分だけの線路を伸ばしていけばいいと思います。

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