来来亭の旨辛麺に興味を持ったとき、多くの人が気になるのは「辛さレベルはどれくらいなのか」という点かもしれません。
筆者はCoCo壱の20辛を平気で食べてしまうタイプの激辛好きですが、今回は来来亭の旨辛麺で一番辛い「5辛(MAX)」に挑戦しました。
辛さに慣れている人でも、初めて食べるメニューにはやはり警戒心があります。この記事では最上位レベルを実際に食べた体験をもとに、辛さの印象や見た目とのギャップ、食べやすさなどを紹介します。
激辛好きもそうでない人も「このラーメン、自分に合うのかな?」という疑問に、ひとつの視点を添えられたらと思います。
来来亭旨辛麺MAXを食べてみた感想
5段階レベルとMAX課金の仕組み

来来亭の旨辛麺は辛さを5段階から選べるスタイルで、1辛から4辛までは無料で調整できますが、5辛(MAX)だけは追加料金が発生します。
注文はディスプレイで行うため、ある意味MAXでもうっかり気軽に選べてしまう仕様。ただMAXだけに追加料金を設けているのは、どこか「特別な意味」が込められているようにも感じられます。
まるで「これはヤバいぞ」と警告されているかのような、単なる激辛ではなく、一線を越えるような空気感。
この感覚は激辛慣れしている人であっても注文の前に少し身構えてしまうような、静かなプレッシャーのようなものがあるかもしれません。激辛勝負のゴングが鳴る前から始まっている、そんな前哨戦。
印象に残ったのは、味よりまず「その緊張感」でした。
挑戦前に感じた期待と不安


来来亭といえば、細麺と旨味たっぷりのスープで知られるお店。この日も多くのお客さんが、定番である細麺のラーメンを注文していました。
訪れたのは土曜日の13時半ごろ。ランチタイムのピークは過ぎていましたが、席はそれなりに埋まっていて、周囲には湯気の立つラーメンが次々と運ばれていきます。
一方、私が注文した旨辛麺は太麺タイプ。調理にもやや時間がかかるため、注文してから提供されるまで少し待ち時間がありました。
その間にも通常の細麺ラーメンが次々と他の席へ運ばれていく様子を見ると、心のどこかで「やっぱり普通のにすればよかったかな」という気持ちがよぎります。
自分で決めたはずなのに、勝負前からジワジワと不安が膨らんでいく。この静かな迷いも、旨辛麺の仕掛けのひとつかもしれません。
真っ赤なスープと太麺の迫力

旨辛麺が運ばれてきた瞬間、視界に飛び込んでくるのはスープの鮮やかな赤さ。見るからに辛そうなその色合いに、思わず「これはヤバいかも」と身構えたほどです。
そして思っていた以上に太い麺がどっしりと構えていて、見た目の重厚感はかなりのものが。来来亭といえば細麺のイメージがあるだけに、ここで太麺が登場するのはちょっとした驚きでした。
麺をリフトアップすると「その重み」がしっかりと箸に伝わってきて、スープの跳ね返りにも注意が必要なレベル。
箸とレンゲを使って慎重に持ち上げないと、真っ赤な雫が服に飛びそうになる緊張感がありました。紙エプロンが必須と言われる理由が、この時点でよく分かるはず。
全体的に、登場シーンから一種の「イベント感」を漂わせているメニューです。
完食して分かったリアルな辛さと特徴
実際の辛さはどのくらいだったか





ところが実際に食べてみると、見た目の印象とは裏腹に辛さの衝撃はあまり強くありませんでした。
確かにスープは真っ赤で、唐辛子の粒も目に見えるほど入っていましたが…、飲んでみると意外にマイルド。舌にじんわり広がる刺激はあるものの、激辛というより「旨味に寄った辛さ」に感じられます。
特に太麺がスープをほどよく絡め取りつつ小麦の甘みも強いため、全体としてバランスが取れすぎていて「逆に辛さが立ってこない」印象です。
激辛を食べ慣れていない人にとっては刺激が強めかもしれませんが、日頃から激辛系を好む人にとっては「ちょっと肩透かし」と感じるかもしれません。
視覚的な期待値が高い分、辛さの体感にギャップが生まれやすいラーメンだと思います。
沈んでいた角切りチャーシューの発見




麺を食べ終えてスープを飲み進めていく中で、レンゲに何かが当たる感触がありました。そこで現れたのが、角切り状にカットされたチャーシューです。
最初は具が少ない印象でしたが、それはスープの下に沈んでいただけで、実際にはしっかりと肉が仕込まれていました。
このチャーシューは細かく切られているため、スープを残すとそのまま気づかず終わってしまう可能性もあります。
だからこそ最後まで飲み干した人だけが出会える、ちょっとした「隠し要素」のような存在。実際にどのくらい沈んでいるのか「池の水を全部抜く」ような気持ちで確認してみました。
結果は「大さじ一杯ほど」のボリューム。すくい上げたチャーシューは、ご飯にかけて「激辛チャーシューそぼろ丼」として美味しくいただきました。
食後の反応と他店との比較

食べ終えたあとは、額にじんわり汗がにじむ程度の発汗がありました。ただ口の中がヒリヒリしたり、胃に強い負担がかかるような感覚はありません。
辛さによって体調を崩すこともなく、最後まで落ち着いて食べきれる印象です。刺激よりもスープの量と太麺のボリュームによる満腹感のほうが先にくるかもしれません。
なお他の激辛メニューと比べるなら、CoCo壱の5辛あたりが体感的に近い印象です。
「魁力屋の辛味噌ラーメン」のように、後半から刺してくるような辛さや刺激は無く、全体的にやさしめの仕上がりになっています。
辛さ求める人にとっては、少し物足りなさが残るかもしれませんが、あまり激辛に触れてこなかった人には、ちょうどいい入り口になるメニューだと感じました。
CoCo壱「20辛」を食べた記録

CoCo壱の20辛を完食したときの体験をまとめた記事です。通常の辛さとは次元が違い、一口目から舌に突き刺さる刺激と、後半にかけてじわじわ効いてくる重さを記録しました。
来来亭の旨辛麺と比べることで、辛さの基準を具体的に想像しやすくなります。
魁力屋辛味噌ラーメンの辛さレビュー

魁力屋の辛味噌ラーメン(辛さ3倍増し)を試したレビューでは、見た目は真っ赤で激辛感を演出しつつ、最初は旨味や味噌のコクが強く感じられます。
食べ進めるごとに野菜と細麺が辛さを助長し、後半に汗や刺激がじんわり効いてくる構造。来来亭の旨辛麺MAXと比べることで、耐えられる辛さの質や感じ方が具体的にイメージしやすくなります。
中本の「北極火山・辛さ体験」レビュー

蒙古タンメン中本の実店舗とカップ麺を比較した記事です。
筆者は辛さだけでなく、具材の存在感・スープのコク・麺の重みまで詳細に記録。「北極火山」に挑んだ経験があり、来来亭MAXとの違いを肌で感じた記録として役立ちます。
まとめ:旨辛麺がおすすめできる人
来来亭の旨辛麺は、激辛を求めるすべての人に向いているわけではありません。実際に食べて感じたのは、激辛マニアが期待するような突き抜けた刺激はそこまで強くないということ。
見た目の派手さに比べて辛さの主張は控えめで、全体としては旨味や食べやすさを重視した仕上がりです。
辛さそのものを楽しむというより、「赤いラーメンを頼んでみたい」「話のネタにしてみたい」といった軽めの動機にフィットする印象があります。
逆に汗をかくほどの刺激を求めている人や、強めの辛さにこだわりがある人には、やや物足りなさが残るかもしれません。
初めて激辛に挑戦してみたい人や、ちょっとした冒険をしたい人にとっては、ちょうどいい挑戦ラインになるメニューです。緊張しすぎず、でも少し背筋が伸びるラーメンでした。

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