プーさんがパレードに出ない理由:裁判の過去と舞台裏の小さな物語

プーさんがパレードに出ない理由:裁判の過去と舞台裏の小さな物語 語る

ディズニーのパレードで、なぜプーさんの姿を見かけないのか。不思議に思ったことはありませんか?

人気のキャラクターなのに、出演していない日がある ― その理由は過去の裁判や契約の影響など、大人の事情が関わっている可能性があります。

この記事では現実的な背景をわかりやすく解説するとともに、もしもの舞台裏を想像した少し不思議なお話もお届けします。事実と物語の両方を知ることで、パレードの楽しみ方がきっと広がります。

 

プーさんがパレードに出ない理由

プーさんには権利争いの歴史があるから

多くの人は、プーさんを生まれた時からディズニーのキャラクターだと思っているかもしれません。

しかし、もともとは1926年に作家A.A.ミルンが生み出した物語の登場人物で、最初はディズニーとは関係のない存在でした。

その商業利用権は1930年にスティーブン・スレシンジャー社という会社が取得して、長く管理してきました。

やがてディズニーがライセンス契約を結び映像やテーマパークに登場するようになりましたが、この関係は完全な買収ではなく契約に基づくものでした。

後にその契約内容やロイヤルティを巡って、両者の間で大きな裁判が起きます。

つまりプーさんの歴史には、知られざる「権利の物語」が隠れており、それが今も出演の在り方に影響している可能性があるわけです。

裁判でディズニーが利用権を得るまでの流れ

裁判でディズニーが利用権を得るまでの流れ

プーさんは1926年にA.A.ミルンによって生まれ、商業利用権は1930年にスティーブン・スレシンジャー社(SSI)が取得しました。

1961年にディズニーはSSIと契約を結び、映像化や商品化、テーマパーク利用の権利を獲得します。

1983年には契約を再確認する再契約が行われましたが、1991年にSSIが契約違反を主張して訴訟を起こしました。この裁判は長期化し、SSI側の不正行為が発覚して訴えは棄却。

2009年、連邦裁判所はディズニーの権利保有を正式に認めました。この経緯によってディズニーはプーさんを使う権利を確保しましたが、その過程は長く複雑なものでした。

勝訴後も残る条件と出演を控える判断

勝訴後も残る条件と出演を控える判断

裁判で権利を手にしたからといって、何でも自由に使えるわけではありません。契約には細かい条件が残っている可能性があり、その内容は外部には公開されていません。

もしパレードの出演方法や時間が契約の想定外と見なされれば、追加の手続きや交渉が必要になるかもしれません。

さらに過去に大きな争いがあったキャラクターを目立つ形で頻繁に使うことは、再び同じような議論を呼び起こすきっかけにもなり得ます。

そうした面倒やリスクを避けるために、ディズニーはプーさんの出演を慎重に選んでいるとも考えられます。その結果あえてパレードに出ない日を作り、安定した利用環境を守っているのかもしれません。

 

スーさんが出ない日の舞台裏

ここまでの内容は、実在するキャラクターとその背景に関する事実や推測をもとにしています。でも同じような出来事を、オリジナルのキャラクターで描いたらどうなるでしょうか。

ここからは完全なフィクションとして、沼のほとりに暮らす「スーさん」の物語をお届けします。

れんこんクッキーが消えた朝

れんこんクッキーが消えた朝

ある日の朝、スーさんはにこにこ顔で台所に立っていました。パレードに来てくれる子どもたちに、れんこんクッキーを配ろうと思いついたのです。

れんこんをたっぷり混ぜた生地をこね、オーブンから甘い香りが漂ってくるたび、胸がふくらみます。

けれど焼きたてのクッキーはあまりにもおいしそうで、「ひとつだけ…」と口に入れたら、あっという間に二つ、三つと減っていきました。気づけばお皿はからっぽ。

スーさんはちょっぴり赤くなったほっぺを両手で押さえ、「あらら」とつぶやきました。その日、パレードには出ず、木陰のベンチでお腹をさすりながら、遠くから音楽を聴いていたそうです。

逆方向に走ってしまった日

逆方向に走ってしまった日

おひさまがぽかぽかとあたたかい午後、スーさんは木の下でお昼寝をしていました。夢の中ではパレードの手漕ぎボートに乗って、みんなに手を振っています。

しかし、はっと目を開けると、本物のパレードの音楽がもう聞こえてきました。あわてて衣装を着て走り出しますが、水路をまちがえてしまい、別の沼へ出てしまいます。

遠くに手漕ぎボートの列が見えましたが、すでに終盤。追いつくには間に合わないと気づき、スーさんは立ち止まりました。

その場で小さく手を振りながら、「今日はみんなをここから応援しよう」とつぶやきます。こうしてその日は、観客としてパレードを見送ることになりました。

森で見せたもうひとつの顔

森で見せたもうひとつの顔

パレードの日の朝、スーさんは森の木陰に立っていました。遠くから聞こえるフクロウの鳴き声をじっと聴きながら、こちらを見ているようで、どこを見ているのか分からない表情をしています。

その横顔は、普段の穏やかな笑顔ではなく、原作の挿絵に描かれたような、少し影を帯びたものでした。

普段は沼で暮らす彼にとって、暗く静かな森の中はは、ほんの少し距離を置きたいものなのかもしれません。やがてスーさんは静かに背を向け、森の奥へ消えていきました。

その姿は、絵本のページから抜け出してきたかのようで、見た人の心に小さなざわめきを残しました。

原作プーさんのちょっと意外な一面

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絵本の中のプーさんは、私たちがよく知る笑顔だけのキャラクターではありません。物語や挿絵には、少し影を感じさせる場面も描かれています。

そんな「原作ならでは」の一面を知ると、今までとは違うプーさん像が見えてくるかもしれません。詳しくはこちらをご覧ください。

 

まとめ

プーさんがパレードに出ない理由:裁判の過去と舞台裏の小さな物語

プーさんがパレードに登場しない理由には、過去の裁判や契約の背景といった現実的な事情が関わっている可能性があります。

ディズニーが権利を確保していても、経営判断やリスク回避の視点から出演を控えることは十分に考えられます。

しかしそうした大人の事情だけでなく、もしもの舞台裏を想像してみると、また違った楽しみ方が見えてきます。

はちみつクッキーを作りすぎて全部食べてしまったり、うっかり逆方向から登場してしまったり、森の奥でそっと見守っていたり。

事実とフィクションを合わせて知ることで、パレードの見方も少し変わるはずです。

次にパレードを観るとき、もしプーさんがいなかったら、その理由をあれこれ想像して楽しんでみてはいかがでしょうか。

 

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