取調室で警察官がカツ丼を差し出すあの名シーン。「本当にあるの?」「そもそもなぜカツ丼なの?」と気になったことはありませんか?
この記事は、そんな疑問を持つあなたに向けて書いています。
取調室で出されるカツ丼のイメージはどこから来たのか、なぜ他の料理ではダメなのか、そして実際に「警察とメシ」の関係にはどんな現実があるのかを掘り下げます。
読めば、ただのフィクションだと思っていたシーンに、意外な「現実の接点」があることに気付くはず。「カツ丼目当て」でお縄にならなくても納得できる「なるほど!」が、ここにあります。
警察の取調室では「なぜカツ丼」なのか?
取調室でカツ丼が出るのは「ドラマだけ」

警察の取調室で、容疑者にカツ丼が出されるシーン。これは多くの人が思い浮かべる「警察あるある」ですが、実際の取り調べで食事が出されることは、基本的にありません。
このイメージは、昭和から平成初期にかけての刑事ドラマや映画の影響が大きく、映像の中で繰り返し描かれたことによって、「警察はカツ丼」という刷り込みが生まれました。
取調室という閉ざされた冷たい空間に、温かいメシを持ち込むことで、登場人物の感情や場の空気を揺さぶる「演出として成立させた」わけです。
現実には、取り調べ中に「メシを出す」ことは制限されているので、あれはフィクションの中だけの話。
とはいえ、あの名シーンが心に残っている人も多く、「実は本当にあったのかも…」と、信じたくなってしまうのも無理はありません。
他の料理や丼ものではダメだったのか?

取調室のカツ丼は「ドラマの演出」だったわけですが、他の料理じゃダメなの?という疑問が出てくるはず。ドラマの中で「どの警察署でもカツ丼が出てくる」のは、それなりの理由があります。
それは見た目やイメージ、役者が食べる動作も含め、映像にしやすかったから。他の料理でも良さそうに思えて、実は「カツ丼じゃないと成立しない」。
ここではカツ丼も含めて、色々な料理を取調室で出してみましょう。
ラーメンや蕎麦など

ひとりで黙々とすすったり、スープを味わったり印象が強く、腹ペコな容疑者が一心不乱に「かっ込む」シーンが撮りづらい。しかも麺はのびやすく、撮影時間が長くなりがちな取り調べシーンには不向きだったと考えられます。
寿司
明らかにご馳走感が強すぎて、取り調べシーンでは浮きまくってしまいます。中トロに醤油をつける容疑者を、取り調べ中の刑事がじっと見つめている。「あ〜、その中トロ…、美味そうだな」に見えちゃうので却下でしょう。

カレー

「色味や食べる動作」も単調なので、演出としては感情の起伏を出しづらい料理です。「かっ込み系」として悪くはないですが、「蕎麦屋の出前でカレー?」という違和感もあるでしょう。まだUber Eatsがない時代の話ですからね。
天丼
天丼は彩りやボリューム感が強いため、視覚的に豪華すぎてしまいます。なので取調室の空気感には不自然で、場面の緊張を弱めてしまいます。現実味のある演出を重視するドラマでは、天丼は目立ちすぎるのかもしれません。

親子丼

親子丼は全体的にやさしいため、「感情のぶつかり合い」が起きにくい料理です。食べることで容疑者の心が揺れ、刑事はそれを静かに利用する。そんな「揺らぎ」が起きにくい親子丼は、映像向きのメシではなかったのでしょう。
カツ丼
彩りある丼ぶりに蓋付きで登場し、容疑者が自ら開ける所作に「心を開く」演出が重なります。卵、カツ、ご飯の組み合わせは動きにも変化があり、かっ込む姿には感情が乗りやすい。全ての条件が揃ったドラマメシだったわけです。

それでも実際にある「警察とメシの関係」



実際の取調室でカツ丼が出ることはないにしても、「警察とメシの関係」は自然に存在します。交番勤務やパトロールの合間、あるいは夜勤明けなど、警察官だってメシを食べる。
そんな中、警察署や交番の近くで営業する食堂や蕎麦屋などが、お巡りさんたちの「行きつけ」になることは普通にあります。
常連として通うちに親しくなって、店が応援の気持ちを込めて交通安全のスローガンを貼ったり、警察のマスコットを飾ったりと、さりげない協力が生またりする。
実際、足立区の「竹嘉」は竹の塚警察署のすぐ裏手にある店で、お巡りさんに親しまれている雰囲気が漂っている、デカいカツが人気の蕎麦屋です。
自分の近所でこういったお店を探してみれば、「カツ丼目当て」でお縄にならなくても、「あのカツ丼」に出会えるかもしれませんね。







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