短編スマホ小説:「No, thank you」が最悪の選択だった日の話。

短編スマホ小説:「No, thank you」が最悪の選択だった日の話。 読むカニ?

俺の名前は神沼龍司。

全国を飛び回り、
数えきれない修羅場を越えてきた、
腕利きのコンサルだ。

企画会議に、参加している。
議題は「ご当地グルメ特集」。

ショートカット女の
「食べ歩きが幸せ」などという発言に、
俺は正直、イラッとした。

だからマナーだのリスクだの、
社会的責任だの、
ついつい指摘をしてしまった。

短編スマホ小説:食べ歩きがダメだと言われた日の会議室。
食べ歩きはなぜ怒られるのか。観光地ではOKなのに近所ではNGな理由を、社内会議を舞台に描きます。

まあコンサルとして、
間違ったことは言ってない。

だが…、
本当の理由は別にある。

俺は最近、食べ歩きで、
嫌な目に遭ったばかりだった。

少し前。

あのショートカット女たちが
社員旅行で不在だった期間、

別のクライアントに呼ばれ、
俺は一泊二日、
タイへ行っていた。

仕事は順調。

予定どおり終わり、
タイの夜風に、気分もいい。

屋台に並ぶタイ料理。
鍋から立ち上る湯気。
スパイスの匂い。

― 今日は…

タイならではのものを食おう。
そう思っていた。

だが、現実はあっけなかった。

観光客の集団が通り過ぎた瞬間、
誰かがよろけ、
彼らが持っていたグリーンカレーを
俺は頭からかぶってしまった。

ガシャーン!
全身、カレーまみれ…。

「Sorry!」

軽い謝罪。
悪気がないのは分かる。

だが、タイの夜は戻らない。

その夜、
俺はコンビニで買った、
よく分からんサンドイッチで
夕食を済ませた。

帰りの飛行機は、午前中の便。
結局あの後、なにも食ってない。

せっかくタイに来たというのに…。
俺は、とにかく腹が減っていた。

機内食の時間、
CAが、いつもの調子で聞いてくる。

「Fish or chicken?」

俺は迷わない。腹が減ってるんだ。
Both, please!
(両方ください)

だが、CAは丁寧な英語で、
こう返してきた。
「Sorry, sir.
You can choose only one.」
(申し訳ありません)
(どちらか一つお選びください)

チッ…、ケチ臭い飛行機だな…

俺は内心そう思ったが、
ここは一歩引いた。

I see. Okay.
(わかりました)

CAはにこやかに頷く。
「Thank you for your understanding」
(ご理解頂きありがとうございます)

反射的に、俺はこう言った。
No, thank you.
(いえいえ、こちらこそ)

さて…、じゃあ魚と鶏。
どっちにするかな?

俺は悩んでいたが…

CAは「…All right」(承知致しました)
そう言い残し、
行ってしまった。

…。

……え?

いやいや!ちょっと待て!
どっちかは食わせろぉおお!!

俺はその場でジタバタしたが、
それを見ていた隣席の女性2人が
小声でクスクス笑っている…。

「だって…」
「No, thank you(どちらも結構です)って」
「言ったじゃんねえ?笑」

「ねえ笑」クスクス

!?

死ぬほど恥ずかしい思いと、
空腹に耐えながら…。
俺は成田へ着陸した。

クソっ…

メシ屋はどこだっ!
「Both, please!(両方ください)」って
言ってもいいメシ屋は。

あった!
マクドナルド!

言ってやる…。

「Both, please!(両方ください)」って
マクドナルドで、言ってやる…。

マクドナルド・おすすめの頼み方:フィッシュ or チキン?を「両方くれ」バーガー
機内で言えなかった一言をマクドで実現。ファーストクラス気分を味わう「両方くれバーガー」をご紹介します。
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