人間ドックを終えた後、急に渡される食事券に「なんで?」って思ったこと、ありませんか?
まあ確かに嬉しいけど…いまさっき「メタボです」って言っておいて、舌の根も乾かぬうちにこれ?─ そんなモヤモヤを感じてる人、実はたくさんいるようです。
この記事では、人間ドックと食事券が結びつく理由を「医療」と「ビジネス」、その両方から考えます。
採血にかかる程度の時間でスッと読めるように整えてあるので、「あの食事券の意味」、まずはちょっとの間、押さえておいてください。
人間ドックではなぜ食事券が出るのか

人間ドックは、いくつもの検査を一気に進める「まとめて確認の一日」で、絶食のまま慣れない流れを乗り切る人がほとんどです。
これは想像以上に負担がかかり、終わる頃にはほっとしたい気持ちが自然と大きくなってしまうもの。そんなタイミングで登場するのが食事券ですが、これは義務でも決まりでもありません。
それでも多くの施設が食事券を出すのは、人間ドックが「選ばれるサービス」として成り立っているから。
検査そのものでは差がつきにくいので、受診した人の気持ちがどこで軽くなるか、どこで安心できるかが評価の分かれ目になる。
緊張や空腹が続いたあとに、落ち着ける時間があれば一日の印象が優しくまとまる。「食事」は、その装置として機能してきました。
つまり食事券は、受診の一日をやさしく終えるための工夫だった、というわけです。
ドックと食事券に関わる「二つの視点」
医療サービスとしての観点:食事

医療という視点で見ると、食事は特典というより、受診直後に体調が安定しているかを確認するための「補助的な役割」です。
人間ドックのあとは絶食や採血の影響が残りやすく、見た目よりも血糖が下がったり軽いふらつきが出たりしやすくなります。
なので、帰宅後に具合が悪くなるケースを防ぎたいという思いもあり、そのため「一定時間は様子を見る」というのが基本的な考え方。
ただ「院内で待機してください」と言っても伝わりにくいので、軽く食べられるものを用意して、座って体を落ち着かせてもらう形が使われます。
豪華さよりも「身体への負担の少なさ」を優先するので、「本当に地味な軽食」が多いのもこの理由です。医療という視点では、食事はあくまで「安全の確認をしやすくするための仕組み」。
なので食事券だと…、ちょっと役不足かもしれません。
医療ビジネスとしての観点:食事券

ビジネスという視点で見ると、人間ドックは自由診療で、病院が「選ばれる側」になるサービス。つまり本気を出せば、Amazonギフト券やスタバカードのような特典で集客する手もあるはずです。
でも医療機関には越えてはいけない線があり、「物で客を集める商売」に寄りすぎると、医療機関としての信用が崩れてしまう。
そこでちょうどいい落としどころになるのが「食事券」です。食事なら受診後に体を落ち着かせる意味があり、医療としての自然さも保てます。
また院内で食事を提供すれば厨房設備や人件費、衛生管理などの負担が増えるので、外部の飲食店で使える食事券を選ぶのが合理的。
病院側は責任を増やさずに満足度を上げられ、受診者も気分よく一日を締められる。こういった「医療とビジネスのちょうど真ん中」に収まるのが食事券だった、というわけです。
筆者が経験した「軽食」と「食事券」

筆者も人間ドックには十年以上お世話になっていますが、最初に通っていた病院では、「超簡素な軽食」が手渡されていました。
中身はコッペパンや少量のおかずが入った程度で、「小学生の給食以下」といった感じ。
看護師さんも「ホントに簡単なものなんですが…」と申し訳なさそうに手渡してくれたのが印象的で、「ここで食べていっても大丈夫ですよ?」と、いつも案内されました。
その後「ネット予約できるから」という理由で別の病院に変えたところ、そこは「しょぼい軽食」の代わりに千円分の食事券が渡される仕組みで、正直「なんじゃこりゃ〜!」と驚愕。
でも今回の記事を書く中で、最初の病院の軽食には「私の体調を静かに確認してくれる意図」があったのかもな…、と思い直しました。
医療とビジネス、それぞれの事情が「形の違い」を生んでいたのだと思います。







コメント