回転寿司では定番のイカネタ。はま寿司では「アカイカ」と「真いか」が別メニューとして並んでおり、「見た目は似ているけど、何が違うの?」と疑問に思った方も多いのではないでしょうか。
本記事では実際に両方を食べ比べた体験をもとに、味・食感・見た目の違いをわかりやすく解説します。
さらに、そもそもなぜ寿司ネタとして2種類のイカが存在しているのか、その背景や意味についても掘り下げていきます。同じ「イカ」でも違いを知ることで、次に選ぶ楽しみが広がるはずです。
はま寿司の「アカイカ」と「真いか」は何が違う?
見た目と切り方にどんな差があるのか

見た目がそっくりな「アカイカ」と「真いか」ですが、はま寿司で並べてみると細かな違いがはっきり見えてきます。
まずアカイカはカットが薄めで身にほんのり赤みがあり、わずかに透けるような質感が特徴です。盛り付けはシンプルで、ネタとシャリの比率もややコンパクト。
対して真いかはやや厚切りで白くツヤのある身が印象的。上には山わさびがのっており、見た目にインパクトがあります。シャリとのバランスもやや大きめで「しっかり食べてる感」が強い仕上がりです。
見た目は似ていても、こうして並べると「あえて別ものとして演出されている」ことが伝わってきます。切り方や盛りの工夫で、チェーン店でもイカの個性を出しているのが面白いところです。
味と食感を実際に食べて比べてみた


まず「アカイカ」はイカにしては歯切れがよく、サクッと噛み切れる軽やかさがあります。
大葉漬けアカイカ(3種盛りで提供)で食べるとその爽やかさが引き立ち、ネタの薄さも相まって非常に食べやすい印象です。
噛み応えがありすぎて口の中に残る…というような「イカあるある」を感じさせず、むしろ清涼感のあるネタとして成立しています。
対して「真いか」はやや厚みがあり、噛むとしっかりとした弾力がありました。そのぶん甘みも強く噛むほどに旨みが広がるタイプで、満足感のある仕上がりです。
両者を比べると「アカイカ」は軽快でさっぱり、「真いか」はじっくり味わう系。はま寿司のイカはどちらも「グミっぽさ」がなく、普段イカを敬遠する人にもおすすめできる仕上がりでした。
それぞれの特徴とおすすめの選び方


「アカイカ」と「真いか」、それぞれに明確な個性があります。「アカイカ」はサクッと歯切れがよく口当たりも軽くて上品。さっぱりした味を好む人にぴったりです。
対して「真いか」はやや厚みがあり、噛むほどに広がる甘みと弾力が魅力。「しっかり寿司を食べたい」派にはこちらがおすすめです。
どちらもイカの「噛み切りにくさ」を感じさせず、イカが苦手だった人にも十分受け入れられる仕上がりだと感じました。
好みに合わせて単品で選ぶのもアリですが、まずは三種盛りで両方を食べてみると、自分の好みに合う一貫が見つかるはずです。
迷っている人には、お試し感覚での三種盛りがちょうどよい選択肢になると思います。
なぜ寿司に「アカイカ」と「真いか」があるのか?
分類や漁獲方法でどう違うのか


「アカイカ」と「真いか」は見た目は似ていますが、実はまったく別の種類のイカです。
「真いか」は「スルメイカ」とも呼ばれ、日本海側や北海道で多く水揚げされる日本の食文化に深く根付いた品種です。
対して「アカイカ」はアオリイカやソデイカ、ヤリイカなどを含む広義のカテゴリとして扱われることもあり、暖かい海域での漁獲が多くなっています。
「アカイカ」の方が身がやわらかく歯切れがよいため、生食向きとして評価されることが多いです。漁法も異なり「真いか」は主に棒受け網漁や夜間照明漁、「アカイカ」は定置網や一本釣りなどが中心。
こうした分類と獲り方の違いが見た目や食感だけでなく、流通や価格にも影響しているのが特徴です。
飲食店での使い分けとその背景

飲食店、とくに寿司チェーンでは「アカイカ」と「真いか」を明確に使い分けているケースが増えています。
「アカイカ」は身が柔らかくクセが少ないため子どもや高齢者にも食べやすく、万人受けするネタとして重宝されています。大葉巻きなどのバリエーションをつけやすい点もメニュー開発として有利です。
一方の「真いか」はイカらしい歯ごたえと甘みを感じられるため、「しっかりしたネタ感」を重視する層に人気があります。
寿司屋としては両方を扱うことで「イカは1種類」という先入観を壊しつつ、選べる楽しさや再来店のきっかけにもつながります。
ネタごとの個性があるからこそ、あえて両方出す戦略は理にかなっていると言えます。
寿司チェーンが2種類出す理由とは

見た目が似ているにもかかわらず、寿司チェーンが「アカイカ」と「真いか」を両方出すのはただのバリエーションではなく、はっきりとした戦略があります。
第一に「食感と風味が異なる」ことで、好みに応じて選んでもらえるという価値を提供できます。「アカイカ」は軽く「真いか」はしっかり。その差があるからこそ単価が同じでも体験は変わる。
第二に仕入れの安定化。季節や漁獲量に応じて柔軟にどちらかを強化できるよう、複数品種を扱っておくのはリスク管理としても効果的です。
最後に三種盛りのような「比べて楽しむ」セットメニューが作れる点も大きな魅力。チェーン全体としての「選ばせる工夫」が、この2種類の共存に現れているのだと思います。
まとめ

はま寿司で提供されている「アカイカ」と「真いか」は、見た目こそ似ているものの実際には味や食感に明確な違いがあります。サクッと歯切れのよい「アカイカ」と、噛むほどに甘みが広がる「真いか」。
それぞれに個性があり、どちらを選ぶかは好みによります。かつて「イカはグミみたいで苦手」と感じていた人でも、はま寿司のイカなら印象が変わるかもしれません。
どちらか迷うなら、まずは三種盛りで食べ比べてみるのがおすすめです。回転寿司の中でこれだけ個性の違いを味わえるのは、ちょっと贅沢な体験とも言えるでしょう。
同じイカでもここまで差がある ─ そんな気づきがあると、また次に頼む楽しみが生まれるかもしれません。
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