足立区の食品工場2階にあるという、「味坊美味厨房 吉味」。Googleマップにも掲載されている、ちょっと気になる「あのお店」。
でも本当に営業してるのか、普通に入って大丈夫なのか、行ってみたいけど…ちょっと身構えてしまう。見るからに工場的な外観だけに、不安が増すのも無理はないでしょう。
この記事では、実際に現地で食べてきた体験をもとに、立地のクセや店内の雰囲気、注文の流れ、自家製ビャンビャン混ぜそばと半チャーハンの味わいをお伝えします。
気になる「あのお店」が、知られざる「名店」だということが、分かっていただけるはずです。
「味坊美味厨房 吉味」という不思議な店
工場の2階で静かに営業する中華料理屋

「味坊美味厨房 吉味」は、足立区一ツ家の花畑大橋通り沿いにあります。周囲は住宅が多く、スーパーや飲食店が点在する、ごく普通のバス通り。
そんな場所に、ぽつんと味坊集団の食品工場が建っています。外観は倉庫に近い雰囲気で、近隣住民ですら存在を意識しないほどの佇まい。
控えめな看板を頼りに階段を上がると2階に店舗入口がありますが…、それは中華料理屋というより、工場の会議室といった雰囲気。

「ここ、入っていいの?」と一瞬戸惑うものの、実際は普通に営業していて、工場と飲食店が同じ建物で動いているだけの話です。
店内の黒板には大手商社向け試食会の予定も書かれているので、自社商品をプレゼンするスペースとしても使われているようです。
宣伝が控えめで会議室っぽい雰囲気なのは、ここがそんな用途の場所でもあるから、なのかもしれません。
店内の雰囲気と番号で注文するスタイル

この日は店先の黒板も表を向いてなかったので、正直ちょっとビビりましたが、勇気を出して階段を登っていくと「営業中」の文字。
でもガラスドア越しに店内を見ると、目の前には大量の在庫商品がドーンと置かれ、照明も落ちています。ただ、奥の方に人の気配があったので、恐る恐る入店し、声を掛けます。
「あの…、いまって営業してますか?」。すると、店員さんはメニューが書かれたボードを指差して、「ランチ?①番?②番?」と聞いてきます。私の日本語はギリギリ通じたんでしょう。

私は②番と答え、席に着きました。店内は冷凍庫などが整然と並んでいて、奥の厨房からは中華鍋の音が聞こえてきます。別の店員さんが照明を付けてくれて、お冷を持ってきてくれました。
とても清潔で快適。ただ、ちょっと変わった空間です。私が注文した②番は、10分ほどで届きました。
ビャンビャン混ぜそばと半チャーハン
ツルモチ食感とピリ辛なビャンビャン麺


自家製ビャンビャン混ぜそばと半チャーハンが、この日の「②番」です。食べてみると、幅広の平打ち麺が油でうっすらコーティングされ、すすった瞬間に勢いよく口に入ってきます。
この「入り方」がとにかく気持ちよく、最初のひと口で「ふんま~」と心の声が漏れてしまう。油は多すぎず、麺をなめらかにする程度。



辛さは唐辛子のストレートな刺激に、軽いしびれと酸味が重なって、どれかが強いというより「1対1対1の横並び」でバランスをとってくるタイプです。
麺はコシがあるけど薄めだから適度な食感で、硬さとやわらかさのバランスがちょうどいい。噛んでも飲み込んでも、食べる動作が楽しくなってきます。
小松菜が「麺のツルモチ食感」に変化を与え、酸味のある大根のお新香を挟むと胃が整う。辛味油の満足感はしっかりあるのに重さは出ず、後味も爽快な混ぜそばでした。
ドライなチャーハンが名脇役になる理由



半チャーハンは、日本の街中華で出てくるギッシュ系 —「男子が好きなあの感じ」とは少し違います。具材は卵とネギだけのシンプルな「炒め飯」で、どちらかというと「ドライ系」。
最初に単体で食べると、正直そこまで強い印象はないので、「これは添え物チャーハンなのかな?」と感じてしまいがち。
でも、ピリ辛で油をまとったビャンビャン麺を食べ進めた後にこのチャーハンを攻めると、味の景色がガラッと変わります。口の中に蓄積した辛味と油を、ドライな「炒め飯」がすっと受け止めてくれる。



つまりこのチャーハンは、後半戦でちょうどよく整えてくれる存在です。もしここに街中華のギッシュ系チャーハンを合わせたら、油が重なって重くなるでしょう。
「自家製ビャンビャン混ぜそばと半チャーハン」— メニューには「自家製」と書かれています。工場で作られた自家製麺を、その場ですぐに食べられる。
まるで漁師が釣った魚を、漁船の上で食べるような贅沢。確かに面構えはちょっと怖いけど…、一度行ってみる価値はある、と思います。






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