料理の味を語るとき、どうしても「美味い」「まずい」の二択に落ち着きがち。特に初めての店やメニューで「失敗した!」と感じることは、誰にでもあることでしょう。
ただ料理の「美味い」「まずい」は、人の好みや体調などにも影響するので、一概には言えないところ。でもこの記事では、「まずい」と感じてしまった人の気持ちを全力で文章にします。
そんな全力レビューですが、今回ご紹介するのは我孫子駅構内にある駅そば、弥生軒の「唐揚そば(うどん)」。実ははここ、地元ではちょっと話題のお店。
それでも「残念」に感じちゃったアナタに向けて、私も「まずいサイド」の全力レビューができるのか?実際に食べて書いてみます。
モヤモヤを感じた時、気軽に読める「もうひとつの視点」として使ってみてください。
店の印象

常磐線で我孫子駅に着くと、もうホームの空気がすでに弥生軒。出汁の匂いが風に乗って押してくる感じで、「そば食ってけ〜」って誘惑がひどい。
急いでる時や、我孫子の町で食事する予定がある時は本当に困る。しかも我孫子駅の中に同じ弥生軒が3店舗もあるとか、マジで意味わかんない。
この日は17時過ぎに我孫子駅5号店(4・5番線ホーム)に行ったらすでに閉店。仕方なく隣のホームにある6号店まで移動することにしたけど、なんか後ろから知らないオッチャンが付いてくるんだけど…。
絶対あのオッチャンも弥生軒難民でしょ。実際、俺が入るとそのオッチャンもスッと入ってきて、なに?もう我孫子の人って弥生軒が主食だったりするわけ?
こんな中途半端な時間なのに店内も客でいっぱいだし、から揚げを持ち帰りする人もひっきりなし。どういうこと?我孫子。
メニューの印象

まず、弥生軒は食券制。でも食券制にする必要ある?ってくらい、唐揚そばの圧が強い。まあせいぜい、どの客も唐揚げ「1個か2個か?」で悩んでる程度で、「そばかうどんか?」で悩んでる様子もない。
悔しいので、俺は唐揚げ1個の「うどん」(490円)にしてやった。
でも今どきの駅そば相場では、490円なんて「かけそば」の価格帯だ。だから「唐揚げ」とはいっても、どうせ居酒屋の「軟骨揚げ」みたいなのが2〜3個乗ってるだけでしょ。
そう思いながら店員さんに食券を渡し、俺はカンター下の荷物棚へリュックを置いた。店内は清潔だ。だがここは飲食店、それは当然なこと。
などと思ってるうちに、あっという間に「唐揚うどん」が完成。できたか、駅そばのしょぼい唐揚うど…「はおっ!、なんじゃこりゃあ!」。い、いかん。見た目に精神を持っていかれてはいけない…。
食べた印象



軽く七味を振って一口頂こうにも…、そもそも唐揚げがデカすぎて全然口に入らない。これなに?切るの面倒だったとか?どこから食べるんだよ?などと悩みつつ、唐揚を箸で持ち上げる。
ってかこの店、割り箸細くない?爪楊枝みたいな割り箸なんだけど…。いや、ちがう、唐揚げがデカすぎるんだ…。
実際、ケンタ2個分くらいの巨体を持ち上げようとすると、箸折れんじゃね?ってレベルの重さ。マジで持ち上がらん。
出汁にヒタヒタして噛みつこうとしても、デカすぎて口に入らない。顎外れたらどうすんだよ…、ガブリ「ジュワぶりぃ〜、はうぅ!」。
出汁も少し醤油の角が立ってるけど、唐揚げの油が溶けた瞬間から急に甘みが出てきて、変化が面白…いや、うどんも変わってて、ちょっと細めでボロッとした食感が唐揚げの「ジュワぶりぃ〜」と…。
まあ、嫌いではない…。
食後の余韻

食べ終わって店を出たとき、俺はなぜか清々しい気分に満ち溢れていた。あんなバケモノみたいなうどんを食ったというのに。
しかし…、スープまで全部完飲したはずなのに、「まだ食える!」という感覚がある。い、いや…、別に「弥生軒の唐揚そば」をおかわりしたいわけじゃなくて…。
でもあの大きな唐揚げを出汁にヒタヒタさせてハムっとした時の「ジュワぶりぃ〜」が…。
片手に丼を持って、唐揚げ!うどん!出汁!と「4-6-3のゲッツー」がずっとキマり続けるようなあの快感がもう…。いや!だから、全然「美味いなんて思ってない」ってば。
我孫子駅のホームで上野方面の電車を待つ。SNSでは「麺がまずい」って声もあるみたいだけど、あれは古き良き「駅そばの麺」。
あの「良さ」がわかってしまったら、あなたも「こっちサイドの人間」になっちゃうかもよ?



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