最近の女子はなぜみんな同じ顔?:美顔のテンプレと「似た印象」が生まれる理由

最近の女子はなぜみんな同じ顔?:美顔のトレンドとその背後にある心理 語る


「最近の若い子、みんな同じ顔に見える気がする…」そんな感覚を覚えたことはありませんか?

でも実は、それには明確な理由があるのです。

この記事では、メイク技術の進化やマスク文化の影響、SNSによる価値観の統一といった、現代社会の構造が「似た顔の大量発生」を引き起こす仕組みを解説します。

さらに、あの子たちがどこにいて、なぜテレビやネットでは見かけないのかといった疑問にもQ&A形式でお答えします。

「みんな同じ」に見える現象の背景がわかることで、街での見え方がちょっと変わるかもしれません。

理由①:メイク技術が進化して「黄金比のテンプレ」が確立された

美人の顔に共通する「黄金比」というルール

美人の顔に共通する“黄金比”というルール

かつてのメイクは「なんとなく可愛く見せる」ための感覚的な技術でしたが、今では「顔の構造を設計する」ための手段に進化しています。

その中心にあるのが「黄金比」という考え方です。

たとえば目と眉の距離、鼻の高さ、口元の位置といったバランスが、黄金比に近づくほど「整って見える」とされ、人間の視覚にも自然になじみやすくなります。

この黄金比に基づいた「顔のテンプレート」に寄せることが今のメイクのゴールになっており、美の基準が数値的に可視化された時代に入ったといえるかもしれません。

コンシーラー・涙袋・アイプチが作る「テンプレ顔」

コンシーラー・涙袋・アイプチが作る「テンプレ顔」

この黄金比を再現するためのツールも、以前とは比べものにならないほど進化しました。

コンシーラーやハイライトで鼻筋や顔の凹凸を調整し、涙袋はダブルライナーやラメで描くなど、影と光を巧みに使って目の縦幅を強調できます。

さらにアイプチや二重テープのクオリティも向上し、自然な平行二重を作ることが可能になりました。

こうしたアイテムがプチプラ価格で手に入り、やり方もSNSや動画で簡単に学べる環境が整っているため、誰でも「黄金比っぽい顔」を量産できる状況になっています。

 

理由②:マスク文化の影響で「目元勝負」になった

視線が目元に集中、脳が勝手に「同じ顔」に補完する

視線が目元に集中、脳が勝手に“同じ顔”に補完する

コロナ以降、マスクの着用が日常化したことで顔の下半分が見えないまま他人と接する機会が圧倒的に増えました。その結果、目元の印象が全体の顔の印象を強く支配するようになったのです。

人間の脳は見えていない部分を「過去の経験」や「パターン認識」で補完しようとするため、目元が似ていれば「他も似ている」と勝手に判断してしまいます。

これが「またさっきの子かと思った」現象の正体であり、「みんな同じ顔に見える」と感じる一因になっているのです。

感情も口元で補っていた → 目が支配的に

感情も口元で補っていた → 目が支配的に

顔の印象形成には、実は口元も非常に大きな役割を果たしていました。笑ったときの口角の動きや、言葉を発するときの表情の変化が、その人の雰囲気や感情を補完していたのです。

しかしマスクの普及によりその情報が完全に遮断され、見る側は目元だけで「人となり」を判断するように。

こうした状況下では目元のメイクの傾向が似ていれば、結果的に「全体の印象も同じに感じる」という現象が加速します。

これはメイク技術だけでなく、社会環境による視覚の偏りがもたらす影響とも言えるでしょう。

 

理由③:SNSが流行を加速し、そして統一された

正解顔」はSNSで作られ、誰でも真似できるようになった

「正解顔」はSNSで作られ、誰でも真似できるようになった

かつて美容のトレンドはテレビや雑誌から発信されていましたが、今はTikTokやInstagramなどのSNSが情報源の中心です。

SNSでは人気インフルエンサーのメイク動画が毎日更新され、それをスマホで見ながらリアルタイムで模倣することができます。

特に「いいね」という評価軸が可視化されるため、「どの顔がウケるか」が数値で明確になります。再現性の高い「正解顔」を真似する流れが生まれ、個人の判断より「評価されやすい顔」に揃っていく。

このように、再現性の高い「正解顔」が全国で模倣される流れのなかで、「量産型女子」とも呼ばれるような存在が現代の街には溢れています。

見た目の系統が似ているのも、時代の構造が生んだ結果と言えるでしょう。

個性」より「外さない平均値」が安心される時代に

「個性」より「外さない平均値」が安心される時代に

SNSでは個性的で目立つよりも「多くの人にとって心地よい平均値」に寄せた方がウケやすい傾向があります。

特に美容系アカウントでは、奇抜すぎるよりも「無難に整っている」ことがフォロワーを集めやすく、拡散もしやすい。

つまり今は「間違えない顔」が求められる時代。結果的に、同じ系統のメイクや髪型が全国で再現され、「なんかあの子もこの子も似てるな」という印象が生まれているのです。

これは単なる流行ではなく、SNSという構造が生み出す「量産化のメカニズム」とも言えるかもしれません。

 

理由④:そもそも「可愛いの定義」が集約されてきている

昔は「可愛い」に系統の多様性があった

昔は「可愛い」に系統の多様性があった

1990年代から2000年代初頭にかけてのアイドルや芸能人を振り返ると、「可愛い」の基準が今よりずっと多様だったことがわかります。

たとえば新垣結衣は透明感やナチュラルさ、安室奈美恵はギャル系、浜崎あゆみはカリスマ路線と、それぞれが明確なキャラクターとビジュアルの方向性を持っており、ファンの間でも「自分はどの系統が好きか」で意見が分かれていたものです。

その時代は「可愛い」という概念自体に幅があり、バリエーション豊かな個性がテレビや雑誌を通して支持されていました。

今は「清楚×童顔」が「安全な可愛さ」として統一されている

今は「清楚×童顔」が「安全な可愛さ」として統一されている

現在ではその「可愛いの幅」が大きく収束しています。清楚系で、色白、目が大きくて童顔っぽい。

そんな「平均点の高い顔」が「誰から見ても好印象」で「評価が安定する」とされ、特にSNS上で支持を集めやすくなっています。

背景にはマッチングアプリやSNSなど、第一印象を写真だけで判断される場面の増加があり、「外さない顔」が有利になる傾向が強まっています。

その結果「尖った個性」よりも「無難で安心される顔」が増え、本人たちは違いを出しているつもりでも、外から見ると「同じに見える」という現象が起きているのです。

 

量産型女子に関するQ&A

あの子たち、どこに生息してるの?

あの子たち、どこに生息してるの?

量産型女子たちは、都内では電車内や大学周辺、原宿・渋谷・自由が丘などのオシャレな街でよく見かけられます。特に総武線、山手線では彼女たちが観測されることが多いようです。

一方で、おじさんたちの生活圏(オフィス・自宅・居酒屋など)にはなかなか現れず、コンビニやカフェにいても「目が合わない」ために認識されにくいという特徴もあります。

そのため、街中で頻繁に見かけるのに「知り合いに一人もいない」という「謎の生命体」感が強まっているのかもしれません。

あの子たち、なぜテレビやネットでは見かけないの?

あの子たち、なぜテレビやネットでは見かけないの?
売ってません。あしからず

量産型女子は確かに街中ではよく見かけますが、テレビやネットメディアでその存在感は意外と薄いものです。理由のひとつは、「個性が埋もれやすい」という点にあります。

メディアでは見た目が印象に残るか、強いキャラがあることが求められるため、整っているけど目立たない量産型女子は起用されにくいのです。

SNSでも顔だけでは差別化しきれず、キャラやトーク力が伴わなければバズるのは難しい。そのため「街にはたくさんいるのに、名前も顔も思い出せない」状態になりがちです。

あの子たち、髪型もみんな同じじゃない?

あの子たち、髪型もみんな同じじゃない?

顔だけでなく髪型にも共通点があるように感じられるのは事実です。最近は「低めのポニーテール」や「ゆる巻きロング」がトレンドで、清楚さと柔らかさを演出するスタイルとして定着しています。

特に首元や輪郭をスッキリ見せられるアレンジが好まれており、それがさらに「似てる感」を強めている原因に。

もちろん全員が同じ髪型というわけではないのですが、人気のスタイルに集中しやすい傾向があるため、結果として髪型まで「テンプレ感」が出やすくなっているようです。

 

まとめ

最近の女子はなぜみんな同じ顔?:美顔のテンプレと「似た印象」が生まれる理由

「最近の女の子、みんな同じ顔に見える」

そんな素朴な疑問から始まったこの記事ですが、その背景にはメイク技術の進化やマスク文化、SNSによる価値観の統一といった、意外に複雑で「現代的な構造」が隠れていました。

似て見えるのは決して偶然でも怠惰でもなく、「外さない美しさ」や「再現性の高い正解顔」を求めた結果。そこには情報化社会と日常生活が密接に絡み合うリアルがあります。

けれど、そんな「同じに見える女子たち」が、実はそれぞれ違う日常と選択の上に成り立っている。そのことを忘れない視点もまた、大人の目線として持っていたいものです。

そして、そんな「量産型に見える」女子たちが、なぜか全員「胸に沼とプリントされたクソダサTシャツを着て釣りやチャリに夢中」になっている世界線がこちらです:[沼探]

沼探 | 日常に潜むあらゆる『沼の魅力』を再発見するための情報を発信中
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沼探

編集後記

編集後記

この記事を書こうと思ったのは、駅や電車で若い女性たちを見かけるたび、「あれ、この子さっきも見なかったっけ?」という不思議なデジャブに何度も襲われたことがきっかけでした。

みんなが同じ髪型、同じファッション、そして似た雰囲気をまとって歩いていて、気づけば「最近の女子、なんでこんなに同じに見えるんだろう?」という疑問が頭から離れなくなっていました。

もちろん、おじさんである自分がそんなことを気にしてるのも気持ち悪い話です。でも、だからこそ真面目に理由を探したくなってしまった。

この記事は、そんな「キモさを自覚しているおじさん」が、なんとかこの謎を自分なりに整理しようとして書いたものです。

結局たどり着いたのは、個人のせいではなくメイク技術の進化やSNSによる流行の統一、そして社会全体の「失敗しない美」を求める空気が生んだ現象だった、という構造的な理解でした。

記事の中にも何度か登場した「量産型女子」たち。実はそんな彼女たちがなぜか「沼」と書かれたTシャツを着て、釣りや自転車にハマっていく。

そんな世界線を描いたのが、私たちが運営する別サイト「沼探」です。この記事でちょっとでも「あの子たちって何者なんだろう?」と思っていただけた方は、よければそちらものぞいてみてください。

 

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